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こんにちは、Physio fitの大野です。今年もすでに半年が過ぎました。夏になり、暑いですね。今日は、怒りやストレス、そして筋肉や関節の痛みがどのように関連し合っているのかついて書きたいと思います。
特に、怒りの感情、筋膜の健康、運動がどのように心身のバランスを保つために重要なのかについてお話しします。
怒りと痛み:心身の相互作用
怒りは強力な感情であり、適切に対処しないと身体に悪影響を及ぼします。怒りを感じると、体内ではストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンが分泌され、血圧や心拍数が上昇します。そして、外部からの刺激に対して敏感になり、刺激に対して攻撃的な行動を取るようになります。「痛みを感じる」という状態も、身体の動きや筋肉の緊張という刺激に対して身体が「痛み」という感覚として敏感に感知している状態です。この状態が長期化すると、慢性的な痛み・ストレス状態に陥り、免疫システムのバランスが崩れます。
筋膜の役割と健康
免疫システムは主に皮膚から筋肉までの間の筋膜組織の周辺にありますから、皮膚や筋膜や細かい血管、リンパ節などと共に筋膜組織が収縮し、機能しなくなり、壊れやすい状態になります。これによりさらに痛みや不調を感じる神経などが過敏になり、体内の炎症反応を引き起こすことになります。これが、関節の痛みや筋肉の緊張を悪化させる原因にもなります。さらに筋膜が緊張している状態を脳が感じると、内臓の動きまで影響を受けます。怒りやストレスはホルモン分泌を引き越し、心臓や血管などに影響し、体を緊張させて徐々に筋膜を硬直させます。筋肉や関節の近くの筋膜が硬直すると、身体の動きが硬くなり、柔軟性が失われ、次第に内臓の調子まで悪くしていきます。筋肉や関節の部分では主に痛みを、内臓の部分では主に不調を初期症状として引き起こし、改善されないとそのまま慢性化します。
怒りから体を守るために
心身の健康を保つためには、怒りやストレスを適切に管理し、筋膜の柔軟性を維持することが重要です。以下に、具体的なセルフケアの方法を紹介します。
1. 怒りやストレスを感じたときは、まずはすぐに対応せずに怒りのピークが過ぎるのを待つ
2.生理的な反応をコンディショニング(調整)する
3.緊張を残しておかない
4.食生活を整える
5.長期化してしまっている場合の考え方
1. 怒りやストレスを感じたときは、まずはすぐに対応せずに怒りのピークが過ぎるのを待つ
怒りやストレスを察知すると、アドレナリンが分泌され、心拍数の増加、血圧の上昇、呼吸の速さなどの即時反応が生じます。これらの反応は数秒でピークに達し、特に怒りやストレスの感情自体を引き起こし、その後は数秒以内に鎮静化していきます。
2.生理的な反応をコンディショニング(調整)する
ただし、心拍数の増加や血圧の上昇、呼吸の乱れなどは数分から数時間にわたって続きます。怒りやストレスがピークであるうちは、アドレナリンがどんどん分泌しているので効果が出づらいですが、怒りのピークが過ぎてからは深呼吸や瞑想、マインドフルネスなどのリラクゼーションテクニックを活用が効果的です。例えば、5分間の深呼吸や10分間の瞑想は、心を落ち着け、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があります。
3.緊張を残しておかない
心拍数の増加や血圧の上昇、呼吸の乱れは筋肉や筋膜などに緊張を与えてます。
緊張が持続していると、身体に悪影響を与えますので、有酸素運動(ランニング、ウォーキング、サイクリング、水泳)を行い、呼吸や心拍数や血圧を正常化させるか、ストレッチやヨガやフォームローラーなどで筋肉や筋膜の緊張を改善することが大切です。有酸素運動にはさらに、ストレスホルモンを減少させ、エンドルフィンと呼ばれる「幸福ホルモン」を増加させる効果があります。
4.食生活を整える
高糖質、高カフェイン、高塩分、添加物、アルコールの過剰摂取、タンパク質不足、食物繊維不足などは怒りとストレスの原因にもなります。まずは取り過ぎているものを少し減らし、足りないものを補うこと少しずつ行なっていきましょう。
5.長期化してしまっている場合の考え方
仕事や介護や受験勉強、資格勉強、長年の人間関係などでストレスが長期がしてしまっている場合は、筋膜・血管・筋肉自体の柔軟性が大きく損なわれている状態になっている可能性があります。その場合は、身体のタイプや生活スタイルや怪我の歴史を考慮したケアや、習慣的な有酸素運動、生活習慣の改善などストレスマネジメントが必要になります。まずは、快適な睡眠と整った生活を目指していきましょう。
セルフケア実践例
上記を踏まえてセルフケアの一例をお伝えします。全てやる必要もないので、続けられそうなものをまずは3週間を目安に続けてみていってください。
1. 朝のルーティン:深呼吸とストレッチ
2. デスクワーク中のセルフマッサージ
3. 怒りやストレスに直面した時の対応
4. 夕方の運動:ウォーキングや軽い運動
5. 早めに寝る
1. 朝のルーティン:深呼吸とストレッチ
朝起きたら、まず5分間の深呼吸を行いましょう。呼吸を整えることで、一日の始まりをリラックスした状態で迎えることができます。その後、全身のストレッチを行い、筋膜の緊張を解消します。特に、肩や背中のストレッチは、夜間の緊張を和らげるのに効果的です。時間があれば、30分ほど日の光を浴びながらウォーキングも効果的です。
2. デスクワーク中のセルフマッサージ
デスクワークが多い方は、1時間に1回、5分間のセルフマッサージを取り入れましょう。特に、肩や首をお腹をほぐすことでデスクワークによる緊張を和らげることができます。硬くなっているところをほぐすことは効果的です。
3.怒りやストレスに直面したら
まずは怒りのピークが過ぎるのを数秒待つ、鼻から大きく息を吸い込み長く息を吐く。相手の存在やその場所にいると怒りのピークが収まらない場合は、一旦場所を離れるのもありですね。軽く肩を回したり、首を回して怒りの緊張からちょっとでもいいので解放してあげましょう。怒りのピークからなるべく遠ざけてあげてください。
4. 夕方の運動:ウォーキングや軽い運動
夕方には、30分程度のウォーキングや軽い運動を行いましょう。上半身を軽く伸ばしながらウォーキングするのもいいです。これにより、1日過ごすだけでもストレスは蓄積しますので、筋肉と筋膜の柔軟性を保つことができます。心身のバランスが整います。
5. 早めに寝る
早めにお風呂に入り、体をさっぱりさせて気分を変えて、できれば夜更かしせずに早めに寝てください。
睡眠は怒りやストレスをリセットさせるのには最高の方法です。
怒りと痛み、筋膜と運動の関係を理解し、統合的なセルフケアを取り入れることで、心身の健康を維持することができます。ストレス管理、筋膜リリース、適度な運動、プロフェッショナルなサポート、そして健康的なライフスタイルを取り入れることで、怒りや痛みを効果的にコントロールし、より充実した生活を送ることができるでしょう。
怒りやストレスが長期がしているなという場合は、一度ご相談ください。
心と体のバランスを保ちながら、健康な生活を追求するために、これらのセルフケアを日常生活に取り入れてみてください。