痛みが慢性化する原因

痛みが慢性化する原因として、疼みに敏感になってしまうメカニズムが過剰に働き”痛みを感じやすい”状態になってしまうことと、痛みを鎮静するメカニズムがうまく働かず”痛みを治せない”状態になってしまうことが大きく関わっています。
そして、損傷した組織があなたの日常やスポーツの負荷に耐えられていないことも慢性化する原因の1つです。

  • 疼痛過敏障害
    疼みに敏感になってしまうメカニズムが過剰に働き”痛みを感じやすい”状態になってしまう
  • 鎮痛機能障害
    痛みを鎮静するメカニズムがうまく働かず”痛みを治せない”状態になってしまうこと

疼痛過敏障害と鎮痛機能障害が起こってしまう原因として、ストレスが関わっています。
ストレスの量と時間が多くなったり長くなったりすることにより障害が起こりやすくなっていきます。
以下はイメージですが、

こちらのようにストレス量と時間が多くなると痛みの感じやすさが高まります。

こちらのようにストレス量と時間が多くなると鎮痛化のメカニズムの効果が意味を成さなくなっていきます。

ストレスには、精神的ストレス、物理的ストレス、社会的ストレス、生理学的ストレスのように種類があります。

精神・社会的ストレスが増加する因子は日常の家事・育児・仕事・介護・運動・家族関係・仕事関係・友人関係などに潜んでいます。
もちろん、痛みが中々治らないストレスも精神的なストレスに大きく関わります。
前向きでなくなった行動や人間関係は精神的・社会的なストレスを引き起こします。

物理的ストレス増加する因子も日常の家事・育児・仕事・介護・運動などに潜んでいます。
長時間になったり、負荷が多くなったすると物理的ストレスが増加します。

組織の適応能力低下(物理的ストレスへの耐性が低下)

また怪我をして組織が壊れてしまうと組織や筋や関節の柔軟性、筋力(周辺の筋力)、可動域、バランス能力、連動性が低下などが負荷に耐えられなくなってしまいます。
日常生活でも、仰向け → 四つ這い → 座る → 立つ → 歩く → 階段を登る → 階段を降りる →早く歩く → 小走りするなど空間の中で姿勢や動きを変えることに応じて負荷がかかります。
また同じ姿勢や動きでも1分続けるのと1時間続けるのでは負荷の蓄積が異なります。
このように同じ日常生活でも負荷のかかり方は人それぞれになります。
立つのは痛くないけど歩くと痛い場合、歩くのは大丈夫だけど階段を登るのは痛い場合などはその痛い動作に身体や組織が適応できていない可能性があります。

ましてや日常生活は大丈夫だけど、スポーツをすると痛い場合などはその走る、ダッシュする、負荷をあげるなどのストレスに適応できていない状態です。
このように今までは負荷に耐えられていたけど、怪我を起点に組織の痛みに耐えられる限界値が低くなってしまい、物理的ストレスに対しての耐えられなくなっても痛みの感じやすさを増大させ、痛みが慢性化する要因になります。

生理学的ストレスは、精神・社会的ストレスや物理的なストレス、季節での温度変化、食べ物や生活習慣によって引き起こされます。

生理学的なストレスが高まると内臓系の不調が出やすくなります。
内臓系の不調は自律神経の乱れとほぼ同意語です。
内臓系の不調は自律神経の乱れを引き起こします。

生理学的ストレスが蓄積すると様々な症状を起こします。代表的な症状は以上のようなものになります。
他にも様々な症状を引き起こします。

生理学的ストレスによるその他の症状

スクロールできます
睡眠障害不眠症、睡眠不足、夜中に起きる、寝付けない、起きれない、日中眠いなど
消化器系の不調便秘、胃もたれ、逆流症食道炎、腹痛、食欲不振、胸やけ、吐き気、嘔吐、のどのつかえなど
循環器系の不調末端の冷え、胸痛、息切れ、呼吸困難、動悸、むくみ、失神発作、眩暈、背中の痛み
泌尿器系の不調頻尿,尿もれ,腹痛など
呼吸器系の不調息苦しさ、息切れ、咳、痰がらみ、胸の痛み、いびきなど
生殖器系の不調イライラ、不安、活力不足、情動の不安定性、排尿障害、皮膚の乾燥(張りがない)、眠れない、月経時痛、生理不順、不正出血、不妊傾向、下腹部の痛み/腰痛、閉経よる影響(女性ホルモンの低下)、ホットフラッシュ、めまい、動悸、発汗など)
内分泌の不調汗をかきにくい、やる気がでない、コレステロールが高い、血糖が高い

さらに、精神的な症状も引き起こされ社会生活の困難になる可能性もあります。

うつ症状や、自己肯定感の低下、交感神経の過活動は痛み、社会生活両方に影響します。

精神的ストレス、物理的ストレス、社会的ストレス、生理学的ストレスは互い影響しあっており、1つのストレスが様々なストレスを関連して引き起こします。
このようにして、多くのストレスやストレスに長期間晒されると、内臓や自律神経や精神が乱れてしまい痛みを感じやすくなったり、痛みを鎮静化するメカニズムが効果が効かなくなってしまい疼痛過敏障害や、 鎮痛機能障害を引き起こし痛みが慢性化します。