人工股関節術後のケアに対する考え方

昨今、人工股関節術後の手術技術も非常に発展してきています。
10年前までは2〜3日で退院を許可する病院もあったほどです。
しかし、いくら良い手術をしても手術後のリハビリ・身体づくりを怠ってしまうと様々な不具合が出てきたり、思ったより快適な生活にならないことに悩んでしまいます。

また、病院によるリハビリも1回20分程度に終わってしまい、その時間内のケアでは時間が足りなくなる事もあり「ケアや自主トレや色々やって欲しいし、必要なんじゃないかと思う」とあなた自身が悩むこともあるかと思います。

Physio fitでは、手術直後からの地域クリニックと併用しながらphysio fitでのケアを推奨しています。
経験と科学的な根拠を踏まえながら、以下のように進めていきます↓

快適な日常復帰を目指した手術直後からのケアモデル

スクロールできます
手術日から
経過日数
股関節の状態必要な身体のケア
やらなければいけないこと
やったほうがいいこと
注意すること
やってはだめ
やらない方がいいこと
やってもいいこと
〜 2週間
入院時期
手術の影響による股関節周囲の炎症状態
手術痕はまだ未成熟(積極的にリハビリできない)
① 病院の指導のもとの手術した側への体重をかける練習(立つ、座る、歩く、階段を登る)
② 病院の指導のもとでよく行う日常生活での身体の使い方の訓練(車から降りる、靴下を履く、お風呂に入るなど)

③ 股関節周囲の炎症のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
④ 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※仰向けや横向きなど股関節に重力がかからないポジションでの股関節周囲のトレーニング
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
股関節が脱臼のリスクのある姿勢
(病院から指導があります)
股関節の炎症を助長させる動き
(病院から指導があります)
安静にしすぎること
睡眠不足
栄養不足
病院から許可されていること
2週間
〜3週間
退院期
/通院期
手術の影響による炎症状態
表層の手術痕はまだ未成熟(積極的にリハビリできない)
① 股関節周囲の炎症/組織の硬さのケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※仰向けや横向きなど股関節に重力がかからないポジションでの股関節周囲のトレーニング
③ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
④ 良質な睡眠
積極的なウォーキング
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
病院から許可されていること
1km未満のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
1ヶ月
〜 2ヶ月
地元のクリニックなどで通院も推奨
手術の影響による炎症が鎮静し始める
表層の手術痕が仮成熟(傷口が開かないようにリハビリを推奨)
① 股関節周囲の炎症/組織の硬さのケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
③ 股関節切開痕やドレーン痕など手術時の傷痕の直接的な柔軟性のケア(PTによるリハビリ)
④ 時間や負荷を制限した平地でのウォーキング(ノルディックポールを持つなど)
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
仕事復帰
積極的な家事の復帰
2km未満のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
2ヶ月 〜 4ヶ月 
状況を見てクリニックでの通院を卒業
炎症がほぼ鎮静化
表層の手術痕が成熟(傷口に対する積極的なリハビリを推奨)
① 股関節周囲の組織の硬さ/可動域のケア(PTによるリハビリ、外旋ストレッチ、フォームローラーやコンプレフロスでの自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
③ 股関節切開痕やドレーン痕など手術時の傷痕の直接的な柔軟性のケア(PTによるリハビリ)
④ 時間や負荷を制限した平地でのウォーキング(ノルディックポールを持つなど)/軽度な山のハイキング
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
5km未満/1時間程度のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
股関節に負担をかけない簡単な仕事/家事であれば徐々に
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
5ヶ月/ 6ヶ月 〜炎症がほぼ鎮静化
表層の手術痕が成熟(傷口に対する積極的なリハビリを推奨)
人工股関節がしっかり定着
① 股関節周囲の組織の硬さ/可動域のケア(PTによるリハビリ、外旋ストレッチ、フォームローラーやコンプレフロスでの自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢や負荷に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
③ 趣味ややりたいことのために必要なトレーニング
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
睡眠不足
栄養不足
仕事/家事
ウォーキング
距離やスピードを制限した軽いジョギング
軽いウエイトトレーニング※人工股関節手術を熟知した専門家のもと
毎日筋トレ/ストレッチ
軽いウエイトを使ったトレーニング
軽いジャンプ
軽いランニング

特に手術後の傷口の硬くなった組織を柔らかくしていくために、WINBACKという高周波機械を使っています。

Winbackは、フランスで発明された高周波医療機器です。
フランス、韓国などで医療機器などで使われており、理学療法、リハビリテーションの場面で使われています。
手術で使われている電気メスなどにも高周波は利用されています。
Winbackは、皮膚に高度な周波数を投射することにより、皮膚〜筋肉〜骨までの間にその波形が到達することにより細胞活性や温熱を与えます。
高周波治療はドイツが発症で、イタリアなどでヨーロッパ圏で医師たちが研究している治療技術です。

WINBACKとは

快適なランニング復帰を目指した手術直後からのケアモデル

Physio fitでは、人工股関節手術後のランニング復帰もサポートしています。
痛みがあった期間には鍛えることのできなかった股関節周辺や体幹の筋力をカバーしながら、安全にハーフマラソンやフルマラソンに復帰するための体づくりをサポートしていきます。

手術日から
経過日数
股関節の状態必要な身体のケア
やらなければいけないこと
やったほうがいいこと
注意すること
やってはだめ
やらない方がいいこと
やってもいいこと
〜 2週間
入院時期
手術の影響による股関節周囲の炎症状態
手術痕はまだ未成熟(積極的にリハビリできない)
① 病院の指導のもとの手術した側への体重をかける練習(立つ、座る、歩く、階段を登る)
② 病院の指導のもとでよく行う日常生活での身体の使い方の訓練(車から降りる、靴下を履く、お風呂に入るなど)

③ 股関節周囲の炎症のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
④ 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※仰向けや横向きなど股関節に重力がかからないポジションでの股関節周囲のトレーニング
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
股関節が脱臼のリスクのある姿勢
(病院から指導があります)
股関節の炎症を助長させる動き
(病院から指導があります)
安静にしすぎること
睡眠不足
栄養不足
病院から許可されていること
2週間
〜3週間
退院期
/通院期
手術の影響による炎症状態
表層の手術痕はまだ未成熟(積極的にリハビリできない)
① 股関節周囲の炎症/組織の硬さのケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※仰向けや横向きなど股関節に重力がかからないポジションでの股関節周囲のトレーニング
③ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
④ 良質な睡眠
積極的なウォーキング
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
病院から許可されていること
1km未満のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
1ヶ月
〜 2ヶ月
地元のクリニックなどで通院も推奨
手術の影響による炎症が鎮静し始める
表層の手術痕が仮成熟(傷口が開かないようにリハビリを推奨)
① 股関節周囲の炎症/組織の硬さのケア(PTによるリハビリ、自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
③ 股関節切開痕やドレーン痕など手術時の傷痕の直接的な柔軟性のケア(PTによるリハビリ)
④ 時間や負荷を制限した平地でのウォーキング(ノルディックポールを持つなど)
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
仕事復帰
積極的な家事の復帰
2km未満のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
2ヶ月 〜 4ヶ月 
状況を見てクリニックでの通院を卒業
炎症がほぼ鎮静化
表層の手術痕が成熟(傷口に対する積極的なリハビリを推奨)
① 股関節周囲の組織の硬さ/可動域のケア(PTによるリハビリ、外旋ストレッチ、フォームローラーやコンプレフロスでの自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
③ 股関節切開痕やドレーン痕など手術時の傷痕の直接的な柔軟性のケア(PTによるリハビリ)
④ 時間や負荷を制限した平地でのウォーキング(ノルディックポールを持つなど)/軽度な山のハイキング
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
無理なウエイトを使ったトレーニング
ジャンプ
ジョギング
ランニング
睡眠不足
栄養不足
5km未満/1時間程度のウォーキング(※術前の筋力レベルによって距離は異なります)
股関節に負担をかけない簡単な仕事/家事であれば徐々に
毎日筋トレ/ストレッチ/ウォーキングなど身体を作ることを実施
5ヶ月/ 6ヶ月 〜炎症がほぼ鎮静化
表層の手術痕が成熟(傷口に対する積極的なリハビリを推奨)
人工股関節がしっかり定着
① 股関節周囲の組織の硬さ/可動域のケア(PTによるリハビリ、外旋ストレッチ、フォームローラーやコンプレフロスでの自主トレ)
② 移動や日常生活に必要な股関節周囲の可動域/筋力のケア(PTによるリハビリ、自主トレ)※スピードや姿勢や負荷に注意しながら体重をかけたトレーニングを積極的にやっていく
④ 時間や負荷を制限したジョギング/軽度な山登り
⑤ タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルが充実した食事
⑥ 良質な睡眠
睡眠不足
栄養不足
仕事/家事
ウォーキング
距離やスピードを制限した軽いジョギング
軽いウエイトトレーニング※人工股関節手術を熟知した専門家のもと
毎日筋トレ/ストレッチ
軽いウエイトを使ったトレーニング
軽いジャンプ
軽いランニング

半年以上経過した人工股関節のケアモデル

Physio fitでは半年以上経過して痛みや不具合がある人工股関節術後の方のケアも行っています。
Physio fitでは以下のようなケアを推奨しています。

  • 股関節周囲の炎症後の硬さが残存している組織のWINBACK/筋膜治療によるケア
  • 痛みの慢性化の原因のケア
  • 身体の耐性の高めるためのトレーニング

① 股関節周囲の炎症後の硬さが残存している組織のWINBACK/筋膜治療によるケア

痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。

股関節周囲の炎症組織のケアを詳しく確認する

特に手術後の傷口の硬くなった組織を柔らかくしていくために、WINBACKという高周波機械を使っています。
Winbackは、フランスで発明された高周波医療機器です。
フランス、韓国などで医療機器などで使われており、理学療法、リハビリテーションの場面で使われています。
手術で使われている電気メスなどにも高周波は利用されています。
Winbackは、皮膚に高度な周波数を投射することにより、皮膚〜筋肉〜骨までの間にその波形が到達することにより細胞活性や温熱を与えます。
高周波治療はドイツが発症で、イタリアなどでヨーロッパ圏で医師たちが研究している治療技術です。

WINBACKとは

② 痛みの慢性化の原因のケア

痛みの原因の1つに疼痛自律神経の状態が痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。

痛みの慢性化の原因のケアを詳しく確認する

③ 身体の耐性の高めるためのトレーニング

長年の痛みに耐えている間に組織や筋や関節の柔軟性、筋力(周辺の筋力)、可動域、バランス能力、連動性が低下し負荷に耐えられなくなってしまいます。
 
日常生活でも、仰向け → 四つ這い → 座る → 立つ → 歩く → 階段を登る → 階段を降りる →早く歩く → 小走りするなど空間の中で姿勢や動きを変えることに応じて負荷がかかります。
また同じ姿勢や動きでも1分続けるのと1時間続けるのでは負荷の蓄積が異なります。

このように同じ日常生活でも負荷のかかり方は人それぞれになります。
立つのは痛くないけど歩くと痛い場合、歩くのは大丈夫だけど階段を登るのは痛い場合などはその痛い動作に身体や組織が適応できていない可能性があります。
ましてや日常生活は大丈夫だけど、スポーツをすると痛い場合などはその走る、ダッシュする、負荷をあげるなどのストレスに適応できていない状態です。

求める活動レベルにより必要な身体の機能は異なります。痛みや不調が出る場合は、そのストレスが限界よりも多くなっている場合、痛みや不調の原因となります。

このようにいくら股関節を手術したとはいえ長年の痛みに耐えている間に限界値が低くなってしまい、物理的ストレスに対しての耐えられなくなっても痛みの感じやすさを増大させ、痛みや不調の要因になっています。

そのためのその負荷に耐えうるために身体を作っていく必要性があります。

  • 首を支える
  • 腰を支える
  • 肩を支える
  • 上半身を支える
  • 股関節を支える
  • 膝を支える
  • 足首を支える

など重力に耐えるための身体の力が必要になっていきます。

また

  • 歩く
  • 階段を登る/降りる
  • 長時間立ち続ける
  • 長時間座り続ける
  • 走る
  • ドライヤーを持ち続ける
  • 重いものを持つ
  • ものを投げる
  • ゴルフをする

ための技術、管理方法、身体の力、可動域も必要になっていきます。

自重や重りをトレーニングやストレッチ、ウエイトトレーニングやボディワークなどのエクササイズがこれらに当たります。
または、歩いたり、実際に階段を登ったり、走ったり目的と同じ動作をしながら身体を適応させていくことも必要になります

これらをご自身に合った負荷で(負荷が合わないとまた怪我をします)、少しずつレベルアップを図る必要性があります。

股関節で身体を支える力を高めるエクササイズです。
重心の掛け方、膝の使い方、からだ傾け方など、何気ない動きにも正常に使う技術があります。
エクササイズの一例です。

このようなに手術直後から年数が経ってしまった人工股関節後の状態まで幅広く対応しています。
Physio fitまでご相談ください。