変形性股関節症グレード3・4のケア

グレード(重症度)の把握の重要性

引用:股関節拘縮の評価と運動療法 / 監修:林 典雄、浅野 昭裕、執筆:熊谷 匡晃/出版:株式会社運動と医学の出版社 /p236まずは股関節の痛みが出た時に重要なのが、グレード(重症度)の把握です。グレードの把握には整形外科にてレントゲン画像をとってもらう必要があります。

前股関節症(グレード1)はレントゲン画像をとっても医師から「骨には異常がない」と言われます。

初期股関節症(グレード2)は医師から「骨には異常がない」また「少し狭いかもしれません」と言われます。

進行期股関節症(グレード3)は「明らかな変形があります」「太ももの骨を覆う骨盤の受け皿の部分に棘ができています」「関節の隙間が狭くなっています」「骨の中に炎症の後があります」などと言われます。

末期股関節症(グレード4)は「手術が必要なレベルです」「骨が削れてしまっています」「関節の隙間が無くなっています」とような形で診察で伝えられると思います。

グレード3の場合は、骨が変形し初めて股関節周りや股関節の骨事態に炎症状態が広範囲に広がっていることが多いです。そして骨自体の身体を支える能力も低下しているので、階段を登ったり、横断歩道が点滅しているときに小走りしたり、重いもの持ったりすると痛みが生じやすくなっております。このグレード3以降は手術を勧められることも多く、もしスポーツを再びやりたい、ランニングに復帰したい、山登りを楽しみたいということであれば手術をしてから筋力強化やストレッチなどで身体づくりをしていった方が良いこともあります。ただ、とりあえず日常生活範囲を楽に過ごしたいのであればまずは炎症のケアがまず重要になっていきます。

グレード4の場合は、骨の中の髄質と呼ばれる赤い組織まで削れていることが多く、骨事態に炎症が広がっていることも多々あります。周囲の軟骨も削れて、骨を支えるソケットの部分である臼蓋には、無数の骨棘と呼ばれる骨ができています。この状態で股関節を動かすと「コキッ、パキッ」といった弾発音が聴こえます。グレード4まで行くと日常生活では歩くのも辛く、家の中や会社の中のちょっとした距離でも辛く感じます。また眠っている間に寝返りをするだけで痛みで起きることもあります。毎日痛みを感じるので、日常の時間の中で痛みのケアに費やすことも多く、健康グッズやサプリなどあらゆる手を使って痛みのケアをすることになるので痛みに費やす金額も増えることかと思います。グレード4の方には、Physio fitでは大学病院と連携を取り、人工関節を手術をした上で痛みを全く感じない日常生活になるように身体づくりをすることをお勧めしています。股関節の人工関節自体がとても良いものになってきており、さらに手術自体もとても身体に負担が少ない手術が開発されています。言い方は悪いですが、変形してしまって痛みやすくなった股関節のまま治療を進めるよりも、良いものを取り替えて正しく動く状態にしてから治療を進めたほうが断然違ってきます。

もしグレード3と言われたのが半年以前であれば、再度かかりつけの整形外科にて受診して股関節の状態を確認することをおすすめします。グレード1からグレード2に進行するのはゆっくりですが、グレード2からグレード3・グレード4へ進行するのは坂道を下るように早く進行してしまうことがあります。受診してグレードを把握してグレードに合わせた正しい治療・ケアをしていきましょう。

また、人工股関節の手術も大変進化しています。

信頼できる先生に診察して頂き、人工股関節を検討してみてください。

Physio fitiの人工股関節に対する考え方の詳細

変形性股関節症グレード3・4のケア

Physio fitでは変形性股関節症でグレード3・4と診断された方へ以下のようなケアを推奨しています。
なるべく早くケアを始めることをおススメします。

  • 股関節周囲の炎症している組織、血流を高めるためのケア
  • 痛みの慢性化の原因のケア
  • 身体の耐性の高めるためのトレーニング

① 股関節周囲の炎症している組織、血流を高めるためのケア

痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。

股関節周囲の炎症組織のケアを詳しく確認する

またグレード3,4の場合は深部の組織、血流状態が非常に悪化しているケースが多いです。
その場合、WINBACkを用いたケアをしていきます。

WINBACKについて

② 痛みの慢性化の原因のケア

痛みの原因の1つに疼痛自律神経の状態が痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。

痛みの慢性化の原因のケアを詳しく確認する

③ 身体の耐性の高めるためのトレーニング

長年の痛みに耐えている間に組織や筋や関節の柔軟性、筋力(周辺の筋力)、可動域、バランス能力、連動性が低下し負荷に耐えられなくなってしまいます。
 
日常生活でも、仰向け → 四つ這い → 座る → 立つ → 歩く → 階段を登る → 階段を降りる →早く歩く → 小走りするなど空間の中で姿勢や動きを変えることに応じて負荷がかかります。
また同じ姿勢や動きでも1分続けるのと1時間続けるのでは負荷の蓄積が異なります。

このように同じ日常生活でも負荷のかかり方は人それぞれになります。
立つのは痛くないけど歩くと痛い場合、歩くのは大丈夫だけど階段を登るのは痛い場合などはその痛い動作に身体や組織が適応できていない可能性があります。

ましてや日常生活は大丈夫だけど、スポーツをすると痛い場合などはその走る、ダッシュする、負荷をあげるなどのストレスに適応できていない状態です。

求める活動レベルにより必要な身体の機能は異なります。
痛みや不調が出る場合は、そのストレスが限界よりも多くなっている場合、痛みや不調の原因となります。

このように長年の痛みに耐えている間に限界値が低くなってしまい、物理的ストレスに対しての耐えられなくなっても痛みの感じやすさを増大させ、痛みや不調の要因になっています。

そのためのその負荷に耐えうるために身体を作っていく必要性があります。

歩く
階段を登る/降りる
長時間立ち続ける
長時間座り続ける
ための技術、管理方法、身体の力、可動域も必要になっていきます。

自重や重りをトレーニングやストレッチ、ウエイトトレーニングやボディワークなどのエクササイズがこれらに当たります。
または、歩いたり、実際に階段を登ったり、走ったり目的と同じ動作をしながら身体を適応させていくことも必要になります

これらをご自身に合った負荷で(負荷が合わないとまた怪我をします)、少しずつレベルアップを図る必要性があります

股関節で身体を支える力を高めるエクササイズです。
重心の掛け方、膝の使い方、からだ傾け方など、何気ない動きにも正常に使う技術があります。エクササイズの一例です。

ただし、やりたい動きややりたい趣味、スポーツをするために必要なトレーニングが股関節の骨が不安定なため、股関節の中の組織の炎症が治らずできないことが多いです。
その場合、私の方から手術をおすすめするかもしれません。
なるべく最適な選択を提案します。

このような変形性股関節症のグレード3・4の状態で痛みや不調でお悩みの方にも対応しています。
Physio fitまでご相談ください。