利き脚と非利き脚の違い

 

 目次

1.利き側、非利き側をなぜ存在するのか?

人間には利き手や利き目、利き脚など「利き側」が存在します。利き側という概念がなければ、一々この時はどちらを出すかどちらを使うかというさらに高度な脳の処理が必要になってしまいます。利き側という概念があることによって人間や動物の動きはより逃げる、狩る、守る動きを可能にしています。これは、生存に必要な様々な活動状況を一々複雑に考えずに自動的に素早く処理をするために合えて「動きやすい方」を作り出しています。

 

例えば

 ー 【利き脚】逃げる時に最初の一歩目をどちらから動こうなんて考えませんよね。

 

 ー 【利き手】急にものが顔の前に飛んできた時にどちらの手で防ごうなんて考えませんよね。

 

 ー 【利き目】目を塞ぎたくなる状況でも必ず視覚が残っているのは利き目じゃありませんか。もしくは目を瞑ってから視覚を復活させるのは必ず利き目の方じゃありませんか。

 

というように人間の身体の思考をせずに自動的に動く仕組みを持っています。それが「利き側」です。

まずはこの複雑な動き、危機的な動きという「無意識的な動き」の中で優先して動く方が人間の身体にはあるということが重要になります。

2. 利き脚とスポーツ

あなたはランナーであり、トライアスリートであり、ダンサーであり、バスケットをやっていたり、山登り、ウォーキングをしていたりするでしょう。あなたは無意識のうちに利き脚である左脚なのか右脚なのかを片方の脚をメインに動いています。加速をするとき、角を曲がる時、方向を変える時実はその利き脚である片方の脚をメインに舵を取っているでしょう。もしくは段差を登るとき、片脚でジャンプして踏み切る時、高めの段差であればあるほど、大きくジャンプしたければしたいほど利き脚で支えて利き脚で動いています。

 

だから、強く力を出したい時や速く走りたい時、複雑な動きを可能にしたいときにこの処理のメインジェネレーターである利き脚側がうまく使えていないと調子が上がりづらくなります。だから、まず利き脚側が自分は調子が良いのかどうなのかを知る必要性があります。そしてもし利き脚側が調子を崩している場合は優先的にそちらを整えて調子をよくすることをしなければいけません。

 

そして、ランナーさんやトライアスリート、登山をする方々は気をつけて欲しいのですが、長時間を走る時、または長時間歩く時も実は無意識に利き側を多く負荷をかけてしまいます。

 

無意識下で走れば走るほど利き側の股関節、太もも、膝、ふくらはぎ、足首に負荷をかけてしまっているのです。だから、腹筋や臀筋を意識的に鍛えて両方の脚に負荷が分散するように出力を整えたり、フォームを左右・前後偏りすぎないように整えたり、走り方を意思的に腰高や引き上げたり、加速して引っ張る方を利き脚でない方でも練習したりするような必要性があります。

 

3. 怪我とラン

無意識下である程度まで走りこんで走りに自信がある人ほど、意識下で走ることに気持ち悪さと不快さを感じるようになってしまいます。もう自分が心地がいい状態でのランは無意識下でのコントロールでの走りになってしまっています。怪我をしてから意識して走れとか、鍛え直せとか言われても「今さらなに言ってくれてんの…」と受け入れ難いですよね。

 

ランナーさんもトライアスリートの方も早い段階で、重心を引き上げるトレーニングや、走るために必要な身体の出力を出す練習を利き側、非利き側でこんなに力の出にくさの差があるんだなというのを気づいて欲しいです。気づいて早く取り組めば意外とすんなり身体にフィットするし、怪我してから痛みを抱えて苦手なことを取り組むのは非常に辛いですから。

 

さらに怪我の話をすると、無意識下で出力を出す利き側の調子が悪いのと無意識下では利き脚よりも出力を出せない非利き側の調子が悪いのでは、影響力に差があります。人間の身体を家に例えるなら、利き脚は大黒柱になります。非利き脚は大黒柱以外のサブの柱でしょう。大黒柱である脚が怪我をしているのか、サブの柱である脚が怪我しているのかではパフォーマンスや痛み方も大きく違います。

 

大黒柱が怪我した場合、実は同じ脚に見えてもそちらの脚は使用頻度が多く、複雑な動きや危険な動き、力を強く必要とする動きでは先に動き、長時間の動きでは優先的に疲労します。チームスポーツや仕事で行ったら、「エース」です。怪我した場合はエース不在で身体をコントロールしなければいけないですから、いろんなところに皺寄せがきます。脚が痛くなったら、腰や怪我していない部分まで調子が悪くなる感覚になります。そして無意識下で使ってしまう神経システム回路が出来上がってしまっているので安静を取ろうにも意識しなければ痛くても使ってしまい安静が取りづらい場所でもあります。中々治りづらいです。

 

そして、「このぐらいの怪我ならば放っておいていいや」と思い放っておいた方が利き脚ならば、どんどん複雑化していきます。5年もの利き脚の膝の痛みや股関節の痛みとかはいろんなところに影響が派生しているので最悪です。

 

怪我をした方が非利き脚であれば利き脚ほど重症化するリスクは少ないです。安静にしていれば、利き脚が頑張ってくれますからちゃんと安静が取れます。しかし、だからといってしっかり直さず無理をしてしまってはそのうち利き脚が頑張りすぎて利き脚が怪我をします。

4. 自分の利き脚を知る

今までのことを表にしましたので、整理してみてください。

 

利き脚 非利き脚
使用頻度 非利き脚より高い 利き脚より低い
複雑な動き 非利き脚より先に動く 利き脚より後に動く
危険な動き 非利き脚より先に動く 利き脚より後に動く
力を強く必要とする動き 非利き脚より先に動く 利き脚より後に動く
長時間の動き 無意識下では先に疲労する 無意識下では後に疲労する

 

なので、以下の時に出す方が利き脚である可能性があります。

 

 ー 階段を登る時に無意識に出す方

 ー 段差を降りる時に無意識に出す方

 ー 玄関から出る時の無意識の一歩目の方

 

より知りたい方は脱力して立ってください。そして誰かに背中をあなたがよろけるほど思い切り押してもらってください。その時に自然と出る方が利き脚です。

 

最近、来店したお客様で20年間利き脚が逆でサッカーボールを蹴っていた方にお会いしました。お話を聞いていくと文字を書くのは右手なので利き手は右利きで、サッカーボールを蹴る時は右で蹴る方が得意なので利き脚は右だとおっしゃっていました。しかし、ボールを投げるのは左手だとおっしゃるのです。私もハッとしてもしかしてと思い、上の検査をすると何回やっても左脚が出るではありませんか。さらにきくと実は左も右と同じくらい蹴れるとおっしゃていましたが、実はこの方の利き腕は左、利き脚は左になります。

 

そうするとこの方のパフォーマンスをあげるときに、利き脚、利き腕側の能力がしっかりと右腕を超えないと人間本来の「利き側を優先する」行動が取れて来ないので、今ひとつ力が入れにくい、複雑な動きにチャレンジしにくい、フィットしていない気がする感じになってしまいます。もちろん、これが慢性的な怪我をしている場合には、左腕、左脚のパフォーマンスがしっかりと出してから右腕、右脚のパフォーマンスを考慮しないと治りが遅くなってしまいます。

5. 今脚を怪我している方は今怪我をしている方の脚がどちらなのかを理解して治療を受けよう。

①利き脚の怪我

今怪我をしている側が「利き脚」であれば、怪我を放っておくと上半身や他の関節までどんどん悪くなる可能性が高くなります。そしてそのまま続けても、パフォーマンスは著しく落ちてしまいます。その利き脚でない方でスポーツや仕事を無理しているうちに本来の快適な動作のシステムとは違った動作のシステムを無意識に構築してしまうでしょう。やがて、体全体が歪んできてしまいます。

 

②非利き脚の怪我

今怪我をしている側が「利き脚」であれば、怪我を放っておいても運動してしまえば気にならないなというような感覚があるでしょう。「走ってしまえば、動いてしまえば気にならないだよね」と思うでしょう。しかし、そのうち怖いあなたのリスクは負荷がかかりすぎて「利き脚」を怪我をすることです。非利き脚の怪我なうちに直してしまってください。利き脚の怪我に発展したら、治りづらいし、身体に無駄な力が入りやすいし、今までの痛みよりも痛さの度合いが大きくなることがあります。

 

③両脚の怪我

両脚を怪我をしてしまったら、まず直さなければいけないのは「利き脚」側です。利き脚側があなたの機動性、運動性、移動性の要になります。利き脚側の痛みが取れれば全体的な無意識下の力みが減ってきます。その後に非利き脚を治せば治りやすくなります。両脚同時に治すよりも「利き脚を優先的に治す」という方法を取ること強くおススメします。

6. 怪我をしないためにもスポーツに合わせた基礎的な脚の筋力はつけておこう

とは言うものの、怪我をした原因であるそのスポーツに即した絶対的な筋力基準と言うものはあります。

 

基本的に走りの基本は、脚を前に出して、空中に脚が浮いて、着地する動きです。「跳んで」いるので股関節や膝関節や足首には、体重が落下して着地するため体重の何倍もの負荷がかかっています。その負荷が支えられていれば脚や体幹はブレないし、支えられていなければ脚や体幹はブレてしまい、負荷が支えられる足首なのか、膝なのか、股関節なのか、腰なのか、それか逆側の脚に負荷が集中します。

 

治療してもそのスポーツをするとまた痛めてしまうのは単純にそのスポーツの負荷にあった自分の基礎的な筋力や筋持久力が備わっていないからです。なので選択肢としては、痛くなったら治療にいくよりは、そもそももう少し筋力や筋持久力を見直してその負荷に耐えられる身体にしてしまった方が無難です。

 

特にランであれば、ランジや、片足ジャンプがブレたり着地が定まらなければ、まずはその動作を安定させることを考えた方が近道だと思ってください。

7. 速度をあげたい方、距離を伸ばして走りたい方は利き脚のパフォーマンスがまず高まっているかを確かめよう。

速度をあげるとき、距離を伸ばす時には必ず利き脚に負荷が多くかかります。速度をあげれば強い力が利き脚に優先的にかかり、距離を伸ばせば疲労が優先的に利き脚に溜まります。

 

ですので、動作の要である利き脚をまずしっかりパフォーマンスをあげてください。そして、コンディショニングの際は両足のケアはもちろんですが、疲労が多くなる利き脚のストレッチやケアはしっかり時間をかけて行ってください。

 

8. 自律神経と利き脚の関係を知ろう。

自律神経は生きるために必要な食行動や睡眠行動、社会を円滑に乗り切るための社会交流行動、または身体のエネルギーが枯渇したりダメージを受けたりした時の身体の細胞や組織の回復能力を司っています。脳のホルモンや神経、内臓の動きを調整して消化活動や循環活動や生殖活動や排泄・排尿活動を絶妙にコントロールしています。

 

特に視る、触る、聴く、味わう、嗅ぐ五感の感覚の調子や内臓を含めた体幹の調子は自律神経と非常に密接に関わっています。利き脚側は優先的に動くため、感覚を感じる割合や全身や体幹の運動や姿勢に貢献する割合も非利き脚側よりも多くなります。自律神経を整える際もまずは利き脚側が安定していないと、感覚の違和感や全身の緊張感や体幹の安定性がでてしまい自律神経が乱れやすい状況になります。

 

自律神経を整えようにも利き脚のパフォーマンスが悪いと改善しにくい状態になります。

 

自律神経が乱れた場合は体幹のつっぱり感や首周りのつっぱり感やお腹の張りが出るので、そちらのコンディショニングと合わせて利き脚の状態も感じる習慣を作ることをおすすめします。

 

以上、利き脚と非利き脚についてでした。普段は気にしないところかなと思いますのでこれを気に意識していただければ幸いです。

 

*ご案内*

こちらの故障ランナー向けのコンディショニング無料体験第2弾を開催しております。
第1弾は限定3名でしたが、第2弾は頑張って限定5名まで募集します。

\ 詳しくはこちら /

6月15日まで申し込みを受け付けています。