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脛の痛み(シンスプリント、脛骨の疲労骨折の後遺症)に対するケア

脛の痛みはシンスプリント(脛の骨の内側下1/3が痛む)、脛骨の疲労骨折、前方コンパートメント症候群やそれらの後遺症で痛みが残存します。いずれでも真面目で粘り強い気質の人になりやすく、一度痛くなったら慢性化してしまうことが多いです。まずは原因を整理していきましょう。

なぜ脛の痛みが起こるのか?

脛の痛みは脛の周辺の組織が負荷や可動域や反復許容回数を超えると起こります。初心者にもベテランランナーにも起こりやすい痛みです。

a. ランニングに必要な筋力が備わっていない

ランニング時には、歩いている時よりも何倍もの負荷が脛に加わります。

脛を支える筋力は、ほとんどの筋力が関わっています。お腹の筋力、お尻の筋力、太ももの筋力、背中の筋力、ふくらはぎの筋力、足裏の筋力など色んな筋力が携わっています。快適なランニングを続けるためには、これらの筋力が正しく発揮されているかがとても重要です。弱い筋力があるところ、また全体的に筋力が弱いと比較的に強いところだけに負荷が高くなってしまうのがランニング障害の特徴です。

その中でもお腹の筋力、太もも・お尻の筋力、ふくらはぎの筋力はとても重要な筋力になります。これらが弱くなっていると脛に負荷がかかります。プランクは、お腹を鍛えるために最適なトレーニングですが、例えば1分もするとしんどくて仕方がない状態だとお腹の筋力が弱くなっています。ランジスクワットは、太ももとお尻の筋力を鍛えるための最適なトレーニングですが、片方20回やるだけで脚が辛くなる場合は太ももとお尻が弱くなっています。カーフレイズはふくらはぎを鍛えるための最適なトレーニングですが、50回連続でやるだけで辛くなる場合はふくらはぎの筋力が弱くなっています。

ぜひやってみて自分の筋力を確認してみてください。

また怪我を何回も繰り返していたり、大きな怪我のあと適切なリハビリができていないとうまくこれらの動作ができなくなっていることがあります。その前、まず原因となっている組織の改善を行う必要がありますのでPhysio fitまで相談してください。

b. ランニングに必要な関節や筋肉の長さが備わっていない

ランニング時はジャンプ動作の連続です。速度のついたジャンプは体重の何倍もの負荷を身体に与えます。そのため、様々な関節の柔らかさや筋肉の長さが必要になります。その中でも足首の硬さ、ふくらはぎの硬さは脛の痛みに直結します。写真の形を真似をしてみて無理なく形が取れるかを確認してみてください。

c. 靴による脛の負荷の増加

また靴による脛の負担への増加も大きく影響しています。最近のランニングシューズ多い、衝撃吸収の良いクッション、踵や足裏のしっかりしたサポート、つま先と踵のソール高さの明らかな差、柔軟性が低い靴の特徴を搭載された靴によって、足裏やふくらはぎの負担は一時的に減りますが、常用していると足裏やふくらはぎの筋力が弱くなっていきます。足裏やふくらはぎの筋力が弱くなっている状態でスピードの速いペース走や、坂のトレーニングをすると脛に負荷がかかりすぎる走ると脛に負荷がかかりすぎることがあります。最近のサポートの強すぎるこの弊害は、日本ではまだまだ浸透していないですが、今後どんどん明るみに出てくると思います。

d. 急激なボリューム、速度、坂を使った練習による負荷の増加

レースが迫ってきて急に脚を作り込もうとしてボリュームを上げたり、調子がよくて目標を高めに設定して急激にボリューム・速度を上げたり、友人のススメで坂ダッシュを急に入れたりすると脛の負荷が増加します。ボリュームも速度も坂ダッシュも急激に量を増やしたりすると脛の痛みに繋がります。

a. ランニングに必要な筋力が備わっていない
b. ランニングに必要な関節や筋肉の長さが備わっていない
c. 靴による足裏、ふくらはぎの筋力低下による脛への負荷の増加
d. 急激なボリューム、速度、坂を使った練習による負荷の増加

代表的な例を挙げましたが、脛の痛みは走り始めが痛いが走っているうちに痛みがなくなったり、走っている時は大丈夫だけど朝起きると痛いといった「痛いけど、痛くない時も多いので病院に行くほどではないな」と自己判断をする方が多く、慢性化しやすい傾向になります。フォームや身体の柔軟性、筋力、靴、ランニングの量の急激な増加なども痛みの原因になるので痛みの原因の特定をファーストステップとして捉えて改善していきましょう。

怪我直後の治療(その日~損傷後3日程度)

病院受診

医療機関で膝の状態を診てもらい、膝のどの部分が損傷していているのかを明らかにしてください。
復帰を急いでしまうと、慢性化してしまう可能性があります。
損傷した部分に迅速な炎症処置をするとその後痛みが長引く可能性がグッと低下します。

”P・E・A・C・E”の措置で膝の炎症を抑える

PEACEによる炎症処置の考え方

PPROTECTION
保護 
外傷後の数日間は痛みを伴う活動や運動を避けてください。 医療機関でテーピングなどでの損傷部位の固定も行ってください。
EELEVATION
挙上 
怪我をした部位をできるだけ頻繁に心臓よりも高く挙上します。
AAVOID ANTI-INFLAMMATORIES
抗炎症薬を避ける
怪我をした組織の回復を低下させる可能性があるため抗炎症薬の服用は避けてください。
CCOMPRESSION
圧迫 
弾性包帯を使用して腫れを抑えます。 
EEDUCATION 
教育 
患者の状態に最も適した対処法を教え、過剰な医学的診察と薬の服用、そして不必要な受動的療法を避けるようにします。
引用:www.TheRunningClinic.com

痛みは最大の防衛サインです。痛みがあるうちは積極的なランニングは避けましょう。

  • 炎症が起こることは全て悪いわけではなく、組織の修復に必要な物質
  • 細胞の分泌も行うために必要なものです。抗炎症薬の服用は、回復に向かわせるための正常な炎症をも抑制してしまうので抗炎症薬の服用は避けましょう。

抗炎症薬の代表例

アスピリンロキソプロフェンジクロフェナクアセトアミノフェン
バファリン®などロキソニン®などボルタレン®などカロナールなど

脛の痛みといっても、原因は様々であり、そしてそもそもの身体の能力も個々に違います。自分に合った治療方法を教えてもらってください。治療よりも身体作りの方が大切になるケースも多々あります。

炎症とは

炎症とは、腫れたり、熱が出たり、何もしなくてもジンジンと痛みが出たりすることです。それらを放置しておくとどんどん炎症が増してしまい、治りが遅くなります。炎症はサインですから、治すのには必要なのですが、炎症が過剰になってしまうと過度に組織を固めたり、循環が悪くなったりしてしまいます。炎症の直後は治す力を止めない程度に、この炎症を最小限に抑えることが必要です。病院では超音波治療や、レーザーによる治癒の促進ができます。

まとめ

  • 肉離れの程度を医療機関で見てもらい、休養な必要な期間を明確、復帰までの目安をつけてください。
  • 正しい保護してもらいましょう
  • 正しい運動制限を行いましょう
  • 脛の痛みを出している原因組織を特定し、原因組織の改善を促し炎症状態を改善させていきましょう。

怪我直後の治療(損傷後3日~7日

炎症症状をしっかりとケアすると、脛の痛みが緩和していきます。回復がはやいとランニングまでできるかもしれません。そのため重要なのはいかに怪我直後に適切な処置をするかと再発させないための原因の特定と対処です。脛の痛みの原因が特定できていないとまた再発する可能性があります。

脛の炎症が引いていくのと当時に徐々に負荷をかけていきます。”P・E・A・C・E”から ”L・O・V・E”の頭文字に合わせて治療へと進めていきます。

L:LOAD(負荷)

炎症が落ち着いていれば回復具合によってPROTECTION(保護) の状態からLOAD(負荷) へ変化させていきたいです。痛みと相談しながら徐々に日常生活に戻るようにしましょう。 いつ負荷を上げていけば良いのかは体が教えてくれます。痛くない動きはやってOKです(痛み止めを飲んでいる場合は痛み止めを服用していない時の痛みを確認してください)。また筋力や可動域やフォームや靴などの要因が解決されていないと股関節へ負担がかかりますので、身体の動きと相談しながら負荷量を決めていく必要性があります。

O:OPTIMISM(楽観思考)

自信を持ち、前向きな考えを持つことで最適な回復が可能になります。
そのためにもポジティブ(OPTIMISM)思考に切り替えることが重要です。
前向きな思考へ切り替えるためにもやるべきことと、やってはいけないこと、見通しをつけることを整理してください。

V:VASCULARISATION(血流を増やす)

痛みが伴わない有酸素運動を行うことで、負傷組織への血流を増やし回復を促進させます。 具体的にはウォーキング、エアロバイク、プールでの水泳や水中歩行などを痛くない範囲で行ってください。また炎症が引いていれば痛くない範囲で筋肉の緊張を緩和させて血流を増加させていきます。痛くない範囲で上半身のストレッチ、体幹のストレッチ、股関節のストレッチ、足首のストレッチなど全身的なストレッチを行ったり、お腹やお尻や背中のトレーニングを取り入れることで血流が上昇しますので走れないこの期間にしっかり自分の身体と向き合うことをお勧めします。

また、Physiofitでは気軽に血流が増せるコンプレフロスという商品を推奨しています。
簡易的に加圧がかけられて、血流負荷がかけられるツールです。
これにより有酸素運動をしなくても、定期的に血流を増加させることができます。


脛のコンプレフロス

E:EXERCISE(運動)

回復へ向けた積極的なアプローチを取ることで、体の動き、筋力、自己受容性感覚を回復させます。
もし、膝の痛みの原因が筋力や動作に問題があり膝に負荷がかかりやすい状態であれば痛みが長引く可能性も高いので、筋力や動作も合わせて改善していくことをおススメします。

まとめ

  • 炎症が治っていなければ炎症の処置を引き続き行う
  • 炎症が治っていれば徐々に負荷をかけてやれることを増やしていく
  • 自分のフォームや筋力や可動域をしっかり見直して対処していく
Physio fitも活用できます
  • Physio fitでは高周波(WIN BACK)による組織の治癒の促進ができます。
  • コンプレフロスを使った腫れの軽減、回復促進の方法をお伝えします。
  • 歩きやすいように全身のバランスを整えます。
  • 何をしてダメで何をしたら良いかをお伝えします。

怪我の治療(損傷後1週間~)

徐々に痛みが軽減していればOK

肉離れは初期措置が大切です。
処置をちゃんと行っていれば問題なく回復していきます。
ただ、医学的な知識なく自己判断で治療を行うと後々影響が出る可能性が高いので、しっかりと医療機関や専門的なトレーナー・セラピストの元治療をしていきましょう。

日常生活でもまだ痛い場合は、

  • 損傷した場所の組織が硬く伸びない状態である
  • 循環が低下して痛みを引き起こす物質が残存している
  • 損傷した場所以外のところが影響していて損傷した組織に負荷を与えている可能性があります。
  • 回復に必要なだけの代謝能力、筋肉量が備わっていない可能性があります。

代謝が高い人は回復が早いですが、代謝が低い人は回復が遅いです。
代謝が低いと①、②の影響が出ます。
代謝を高めて、そして損傷部分を強くしていくために ”L・O・V・E”の頭文字に合わせて治療を進めていきます。

怪我直後の治療(損傷後3日~7日)”L・O・V・E”を参考に回復力を高めて行ってください。

徐々に負荷をかけていく

炎症が治まっていれば、日常生活でできることを増やしながら徐々にスポーツ復帰に向けてストレッチやトレーニングを開始していきます。
※ランニング復帰が得意ではない病院や接骨院もありますので、得意なところで見てもらうことをオススメします。

Physio fitでは適応理論を用いて徐々に負荷をかけていくことを推奨・アドバイスしていきます。

適応理論

引用:www.TheRunningClinic.com

日常生活よりも負荷の高いランニングへと再び適応(復帰)をしていくために徐々に負荷を身体にかけていきます。
ふくらはぎの損傷具合、回復度合い、元々の運動力によって運動負荷の掛け方はさまざまになります。
焦りすぎず、無理しすぎず、適切な負荷をかけていくことが大切です。
怪我後の急な連続したジョグは、怪我をした場所に疲労が蓄積しやすく再び怪我を引き起こす恐れがあるので慎重に体を慣れさせていきます。
間違ってもいきなり、怪我する前と同じ負荷で走り始めようとすることはやめてください。

  1. 日常の痛みがなくなってきたらストレッチやトレーニングなどを痛みがない範囲で取り入れてください。
  2. 軽くジョグをしてみて痛みがなくなればジョグを開始してしてみましょう。1分走って、1分歩く、1分走って、1分歩くといったインターバル形式でジョグを入れることをおすすめします。

まとめ

  • 炎症が治っていなければ炎症の処置を引き続き行う
  • 徐々に痛みが減ってきていればOK
  • 回復が遅ければ早くなるように処置が必要、”L・O・V・E”を見直す
  • ランニング復帰は適応理論で負荷を徐々に高めていく、急にやらない
Physio fitの活用
  • 足りない処置を補います。
  • 走りやすいように全身のバランスを整えます。
  • 再発しないようにランニングフォームを修正していきます。
  • セルフでできるトレーニングメニューを組んで、再発しない体づくりをサポートします。
  • どのくらい走ったら良いのか、何をしたら再発の危険性があるのかを明確にします。

思うように治ってこない…。または走ると再発する。

フィジオフィットでは、思うように治ってこない、または走ると再発する”慢性化”した痛みを抱えている方が多く来院されています。
慢性化した場合には、専門的な施術とトレーニングと運動負荷管理が必要です。
Physio fitでは以下のような流れで

Physio fitの活用
  • 回復が遅れている原因の分析
  • 筋膜コンディショニングで回復をサポート
  • トレーニングを習得し、復帰に必要な筋力をサポート
  • ランニング復帰に向けたウォーキングやセルフエクササイズ、ジョギング量、靴の選択のアドバイス

軽度の損傷で半年未満の痛みであれば、年齢にもよりますが3~4回程度のケアで大丈夫なことが多いです。
中等度、重度の方でも早ければ早いほどケアの回数が少なくなります。
数年繰り返しているような痛みだと、ケアの回数が多くなることをご了承ください。
※治す場所が多くなる可能性が高いです。

お一人で悩まずに、一度Physio fitまでご相談ください。