Physio fitでの要望の中で多い故障の1つに、ランニングの怪我で多い怪我の中に膝の痛みがあります。
膝が痛くなったことがある人、現在膝の痛みを治療中の人も一度こちらの記事で原因と治療を整理しておくと足りないこと、やったほうがいいことがわかりますので一度目を通しておいてください。
ランニングに多い膝の痛みの種類
- ランナー膝
- 膝蓋大腿関節症
- 膝蓋靭帯炎
- 外側半月板損傷
- 内側半月板損傷
- 鵞足炎
スプリントトレーニングや坂道でのトレーニング、少し速度ペースを早くした場合に痛くなるのが膝下の痛み(膝蓋靭帯炎)が出やすくなります。
フォームのバランスが崩れている状態、疲労が蓄積し過ぎている状態での練習のしすぎ、短い期間での急な練習量の増加では膝のお皿の周囲に痛み(膝蓋大腿関節症)が出やすくなります。
40代以降からランニングを始めると、姿勢が崩れている状態や筋力が低下している状態からのスタートとなるので様々な怪我を起こしやすいです。その一つとして脚の筋力低下や反り腰やXO脚、扁平足などがあると様々な膝の痛みにつながることがあります。
怪我直後の治療(その日~損傷後3日程度)
病院受診
医療機関で膝の状態を診てもらい、膝のどの部分が損傷していているのかを明らかにしてください。
復帰を急いでしまうと、慢性化してしまう可能性があります。
損傷した部分に迅速な炎症処置をするとその後痛みが長引く可能性がグッと低下します。
”P・E・A・C・E”の措置で膝の炎症を抑える
PEACEによる炎症処置の考え方
P | PROTECTION 保護 | 外傷後の数日間は痛みを伴う活動や運動を避けてください。 医療機関でテーピングなどでの損傷部位の固定も行ってください。 |
E | ELEVATION 挙上 | 怪我をした部位をできるだけ頻繁に心臓よりも高く挙上します。 |
A | AVOID ANTI-INFLAMMATORIES 抗炎症薬を避ける | 怪我をした組織の回復を低下させる可能性があるため抗炎症薬の服用は避けてください。 |
C | COMPRESSION 圧迫 | 弾性包帯を使用して腫れを抑えます。 |
E | EDUCATION 教育 | 患者の状態に最も適した対処法を教え、過剰な医学的診察と薬の服用、そして不必要な受動的療法を避けるようにします。 |
- 痛みは最大の防衛サインです。痛みがあるうちは歩くのは避けましょう。
- 医療機関で松葉杖を借りて炎症が収まるまで2~3日過ごしましょう。
- 心臓より損傷部位である太ももを高くあげると重力の作用により、腫れの原因である体液の蓄積が改善されます。
- 炎症が起こることは全て悪いわけではなく、組織の修復に必要な物質・細胞の分泌も行うために必要なものです。抗炎症薬の服用は、回復に向かわせるための正常な炎症をも抑制してしまうので抗炎症薬の服用は避けましょう。
抗炎症薬の代表例
アスピリン | ロキソプロフェン | ジクロフェナク | アセトアミノフェン |
バファリン®など | ロキソニン®など | ボルタレン®など | カロナールなど |
- 適度な圧迫を加えることで、腫れと浮腫みが軽減できます。浮腫みや腫れは長引きは血液循環の低下を招き、迅速な回復を遅らせます。
- 肉離れといっても、程度があり、そしてそもそもの身体の能力も個々に違います。自分に合った方法を教えてもらってください。
病院受診
炎症とは、腫れたり、熱が出たり、何もしなくてもジンジンと痛みが出たりすることです。
それらを放置しておくとどんどん炎症が増してしまい、治りが遅くなります。
炎症はサインですから、治すのには必要なのですが、炎症が過剰になってしまうと過度に組織を固めたり、循環が悪くなったりしてしまいます。
炎症の直後は治す力を止めない程度に、この炎症を最小限に抑えることが必要です。
病院では超音波治療や、レーザーによる治癒の促進ができます。
まとめ
- 肉離れの程度を医療機関で見てもらい、休養な必要な期間を明確、復帰までの目安をつけてください。
- 正しい炎症処置をしてもらう
- 正しい運動制限を行う
- 炎症や損傷が拡がるような動作はしない、必要であれば松葉杖を使う
怪我直後の治療(損傷後3日~7日)
炎症症状をしっかりとケアすると、軽度の膝の痛みであればジョグから復帰、または回復がはやいとランニングまでできるかもしれません。
そのため重要なのはいかに怪我直後に適切な処置をするかが大切です。
ふくらはぎの肉離れは復帰を焦ると再発します。
こちらをご覧になっているランナーさんやスポーツを楽しむ方が、再び膝の怪我をしてしまった時になったその日、または次の日までに早期に医療機関に受診することが大切であること強く強く訴えさせていただきます。
引き続き”P・E・A・C・E”の措置で炎症を抑えてください。
腫れ、熱感、痛みなどを基準に痛くなる動きはなるべく避けて徐々に日常生活でやれることを増やしていってください。
ただ炎症を抑えただけだと回復能力に差が出ます。
代謝が高い人は回復が早いですが、代謝が低い人は回復が遅いです。
代謝を高めて、そして損傷部分を強くしていくために”P・E・A・C・E”から ”L・O・V・E”の頭文字に合わせて治療へと進めていきます。
L:LOAD(負荷)
炎症が落ち着いていれば回復具合によってPROTECTION(保護) の状態から体重をかけた状態LOAD(負荷) へ変化させていきたいです。
痛みと相談しながら徐々に日常生活に戻るようにしましょう。
いつ負荷を上げていけば良いのかは体が教えてくれます。痛くない動きはやってOKです。
テーピングなどでの損傷部位の固定も行って、復帰できる動作を増やしていってください。
ただし、抗炎症薬を飲んでいると過剰に負荷をかけすぎてしまうがありますので注意してください。
中等度以上の損傷の場合は、MRIをみながら負荷の量を上げるタイミングを計っていきます。
また復帰後いきなりのスプリントや長距離ランニングは再発、他の場所を痛める可能性がありますのでトレーナーと相談しながら負荷をかけていきましょう。
O:OPTIMISM(楽観思考)
自信を持ち、前向きな考えを持つことで最適な回復が可能になります。
そのためにもポジティブ(OPTIMISM)思考に切り替えることが重要です。
前向きな思考へ切り替えるためにもやるべきことと、やってはいけないこと、見通しをつけることを整理してください。
V:VASCULARISATION(血流を増やす)
痛みが伴わない有酸素運動を行うことで、負傷組織への血流を増やし回復を促進させます。
具体的にはウォーキング、エアロバイク、プールでの水泳や水中歩行などを痛くない範囲で行ってください。
また炎症が引いていれば痛くない範囲で筋肉の緊張を緩和させて血流を増加させていきます。
セルフでの損傷部以外の周り(股関節や太もも周り、上半身のストレッチ)のケアを行うことで血流が上昇します。
また、Physiofitでは気軽に血流が増せるコンプレフロスという商品を推奨しています。
簡易的に加圧がかけられて、血流負荷がかけられるツールです。
これにより有酸素運動をしなくても、定期的に血流を増加させることができます。
E:EXERCISE(運動)
回復へ向けた積極的なアプローチを取ることで、体の動き、筋力、自己受容性感覚を回復させます。
もし、膝の痛みの原因が筋力や動作に問題があり膝に負荷がかかりやすい状態であれば痛みが長引く可能性も高いので、筋力や動作も合わせて改善していくことをおススメします。
具体的には
- 筋力の左右・前後アンバランス
- 重心の左右差
- 股関節と体幹、股関節と膝・足首との力の出し方のバランス
が崩れている可能性があります。
そして歩き方、ジョグ、ランニング、スプリントと確認していきましょう。接地位置、脚の回転数、靴が適切に整えていく必要があります。それらを再度見直してみる機会にしてください。
まとめ
- 炎症が治っていなければ炎症の処置を引き続き行う
- 炎症が治っていれば徐々に負荷をかけてやれることを増やしていく
- Physio fitでは高周波(WIN BACK)による組織の治癒の促進ができます。
- コンプレフロスを使った腫れの軽減、回復促進の方法をお伝えします。
- 歩きやすいように全身のバランスを整えます。
- 何をしてダメで何をしたら良いかをお伝えします。
怪我の治療(損傷後1週間~)
徐々に痛みが軽減していればOK
肉離れは初期措置が大切です。
処置をちゃんと行っていれば問題なく回復していきます。
ただ、医学的な知識なく自己判断で治療を行うと後々影響が出る可能性が高いので、しっかりと医療機関や専門的なトレーナー・セラピストの元治療をしていきましょう。
日常生活でもまだ痛い場合は、
- 損傷した場所の組織が硬く伸びない状態である
- 浮腫みがあり循環が低下して痛みを引き起こす物質が残存している
- 損傷した場所以外のところが影響していて損傷した組織に負荷を与えている可能性があります。
代謝が高い人は回復が早いですが、代謝が低い人は回復が遅いです。
代謝が低いと①、②の影響が出ます。
代謝を高めて、そして損傷部分を強くしていくために ”L・O・V・E”の頭文字に合わせて治療を進めていきます。
怪我直後の治療(損傷後3日~7日)”L・O・V・E”を参考に回復力を高めて行ってください。
徐々に負荷をかけていく
炎症が治まっていれば、日常生活でできることを増やしながら徐々にスポーツ復帰に向けてストレッチやトレーニングを開始していきます。
※スポーツ復帰が得意ではない病院や接骨院もありますので、得意なところで見てもらうことをオススメします。
Physio fitでは適応理論を用いて徐々に負荷をかけていくことを推奨・アドバイスしていきます。
適応理論
日常生活よりも負荷の高いランニングへと再び適応(復帰)をしていくために徐々に負荷を身体にかけていきます。
ふくらはぎの損傷具合、回復度合い、元々の運動力によって運動負荷の掛け方はさまざまになります。
焦りすぎず、無理しすぎず、適切な負荷をかけていくことが大切です。
怪我後の急な連続したジョグは、怪我をした場所に疲労が蓄積しやすく再び怪我を引き起こす恐れがあるので慎重に体を慣れさせていきます。
間違ってもいきなり、怪我する前と同じ負荷で走り始めようとすることはやめてください。
- 歩行時痛がなくなってきたら痛みがない範囲でウォーキングを取り入れてください。
- 片足で踏み込んだ時の痛みがなければウォーキングの速度を早めてみましょう。
- 片足で軽くジャンプした時の痛みがなくなればジョグを開始してしてみましょう。1分走って、1分歩く、1分走って、1分歩くといったインターバル形式でジョグを入れることをおすすめします。また体重をかけたトレーニングもいくつか取り入れていきます。
まとめ
- 炎症が治っていなければ炎症の処置を引き続き行う
- 徐々に痛みが減ってきていればOK
- 回復が遅ければ早くなるように処置が必要、”L・O・V・E”を見直す
- ランニング復帰は適応理論で負荷を徐々に高めていく、急にやらない
- 足りない処置を補います。
- 走りやすいように全身のバランスを整えます。
- 再発しないようにランニングフォームを修正していきます。
- セルフでできるトレーニングメニューを組んで、再発しない体づくりをサポートします。
- どのくらい走ったら良いのか、何をしたら再発の危険性があるのかを明確にします。
思うように治ってこない…。または走ると再発する。
フィジオフィットでは、思うように治ってこない、または走ると再発する”慢性化”した痛みを抱えている方が多く来院されています。
慢性化した場合には、専門的な施術とトレーニングと運動負荷管理が必要です。
Physio fitでは以下のような流れで
- 回復が遅れている原因の分析
- 筋膜コンディショニングで回復をサポート
- トレーニングを習得し、復帰に必要な筋力をサポート
- ランニング復帰に向けたウォーキングやセルフエクササイズ、ジョギング量のアドバイス
軽度の損傷で半年未満の痛みであれば、年齢にもよりますが3~4回程度のケアで大丈夫なことが多いです。
中等度、重度の方でも早ければ早いほどケアの回数が少なくなります。
数年繰り返しているような痛みだと、ケアの回数が多くなることをご了承ください。
※治す場所が多くなる可能性が高いです。
お一人で悩まずに、一度Physio fitまでご相談ください。