グレード(重症度)の把握の重要性
まずは股関節の痛みが出た時に重要なのが、グレード(重症度)の把握です。
グレードの把握には整形外科にてレントゲン画像をとってもらう必要があります。
前股関節症(グレード1)はレントゲン画像をとっても医師から「骨には異常がない」と言われます。
初期股関節症(グレード2)は医師から「骨には異常がない」また「少し狭いかもしれません」と言われます。
進行期股関節症(グレード3)は「明らかな変形があります」「太ももの骨を覆う骨盤の受け皿の部分に棘ができています」「関節の隙間が狭くなっています」「骨の中に炎症の後があります」などと言われます。
末期股関節症(グレード4)は「手術が必要なレベルです」「骨が削れてしまっています」「関節の隙間が無くなっています」とような形で診察で伝えられると思います。
グレード1の場合は、骨には異常がないので炎症した組織や痛みのある組織の治療や、股関節周りの弱くなっている筋力を日常生活ややりたいスポーツに向けて強化して行くことで痛みが消失していきます。
そんなに悪くないですが、悪化する前に早め早めに身体を作っておくことをお勧めします。
グレード2の場合は、少し骨に負担がかかってはいますがグレード1と同様炎症した組織や痛みのある組織の治療をし、股関節周りの弱くなっている筋力を補えば痛みが消失することが多いです。
ただし、股関節の周りの炎症が状態が稀に重症な場合もあるので痛みが強い場合は炎症処置を考慮した治療の進め方が重要になります。
炎症を放っておくとどんどん骨にまで浸潤(しんじゅん)して骨に炎症ができてしまい悪化することがあります。
炎症のケアをして、そして股関節に負担のないように筋力を補っていきましょう。
もしグレード2と言われたのが半年以前であれば、再度かかりつけの整形外科にて受診して股関節の状態を確認することをおすすめします。
グレード1からグレード2に進行するのはゆっくりですが、グレード2からグレード3・グレード4へ進行するのは坂道を下るように早く進行してしまうことがあります。
受診してグレードを把握してグレードに合わせた正しい治療・ケアをしていきましょう。
変形性股関節症グレード1・2のケア
Physio fitでは変形性股関節症でグレード1・2と診断された方へ以下のようなケアを推奨しています。
なるべく早くケアを始めることをおススメします。
- 股関節周囲の炎症している組織、血流を高めるためのケア
- 身体の耐性の高めるためのトレーニング
- 痛みの慢性化の原因のケア
① 股関節周囲の炎症している組織、血流を高めるためのケア
痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。
股関節周囲の炎症組織のケアを詳しく確認する
② 身体の耐性の高めるためのトレーニング
長年の痛みに耐えている間に組織や筋や関節の柔軟性、筋力(周辺の筋力)、可動域、バランス能力、連動性が低下し負荷に耐えられなくなってしまいます。
日常生活でも、仰向け → 四つ這い → 座る → 立つ → 歩く → 階段を登る → 階段を降りる →早く歩く → 小走りするなど空間の中で姿勢や動きを変えることに応じて負荷がかかります。
また同じ姿勢や動きでも1分続けるのと1時間続けるのでは負荷の蓄積が異なります。
このように同じ日常生活でも負荷のかかり方は人それぞれになります。
立つのは痛くないけど歩くと痛い場合、歩くのは大丈夫だけど階段を登るのは痛い場合などはその痛い動作に身体や組織が適応できていない可能性があります。
ましてや日常生活は大丈夫だけど、スポーツをすると痛い場合などはその走る、ダッシュする、負荷をあげるなどのストレスに適応できていない状態です。
求める活動レベルにより必要な身体の機能は異なります。
痛みや不調が出る場合は、そのストレスが限界よりも多くなっている場合、痛みや不調の原因となります。
このように長年の痛みに耐えている間に限界値が低くなってしまい、物理的ストレスに対しての耐えられなくなっても痛みの感じやすさを増大させ、痛みや不調の要因になっています。
そのためのその負荷に耐えうるために身体を作っていく必要性があります。
- 歩く
- 階段を登る/降りる
- 長時間立ち続ける
- 長時間座り続ける
- 走る
- ものを投げる
- ゴルフをする
- ための技術、管理方法、身体の力、可動域も必要になっていきます。
自重や重りをトレーニングやストレッチ、ウエイトトレーニングやボディワークなどのエクササイズがこれらに当たります。
または、歩いたり、実際に階段を登ったり、走ったり目的と同じ動作をしながら身体を適応させていくことも必要になります
これらをご自身に合った負荷で(負荷が合わないとまた怪我をします)、少しずつレベルアップを図る必要性があります。
股関節で身体を支える力を高めるエクササイズです。
重心の掛け方、膝の使い方、からだ傾け方など、何気ない動きにも正常に使う技術があります。
エクササイズの一例です。
③ 痛みの慢性化の原因のケア
痛みの原因の1つに疼痛自律神経の状態が痛みの原因となる硬くなった組織や、力みが抜けなくなった組織を正常な組織状態へ改善していきます。
正常な柔軟性、力みに戻すことで血流が確保されて、痛みが緩和していきます。
痛みの慢性化の原因のケアを詳しく確認する
このような変形性股関節症のグレード1・2の状態で痛みや不調でお悩みの方にも対応しています。
Physio fitまでご相談ください。