炎症とは
炎症とは、腫れたり、熱が出たり、何もしなくてもジンジンと痛みが出たりすることです。
それらを放置しておくとどんどん炎症が増してしまい、治りが遅くなります。
炎症はサインですから、治すのには必要なのですが、炎症が過剰になってしまうと過度に組織を固めたり、循環が悪くなったりしてしまいます。
炎症の直後は治す力を止めない程度に、この炎症を最小限に抑えることが必要です。
病院では超音波治療や、レーザーによる治癒の促進ができます。
股関節の炎症の原因
股関節の炎症の原因は、様々な原因があります。
スポーツや日常生活でアクシデントがあり組織に負担が大きく加わったり、負荷の蓄積により抵抗性が弱くなりふとしたことで組織が壊れ、炎症になったりします。
また、先天性股関節脱臼または臼蓋形成不全の場合は、股関節にそもそも負担がかかりやすい状態なので、股関節の炎症が起きやすくなります。
滑膜炎のケア
股関節を包んでいる靭帯状の袋を関節包と言います。
関節包は表側が繊維状の繊維膜で、裏側が潤滑性(ゲル状)に富んだ滑膜という構造になっています。
股関節の炎症で大変なのが滑膜炎です。
この滑膜が一旦炎症を起こすとズーンとした重い痛みが続きます。これが滑膜炎です。
しかも、股関節の奥深くにありよく動かす場所でもあり安静が取りにくく炎症が非常に治りにくい場所です。
この滑膜炎を治すためには、代謝を促進させて血液をしっかりと送り込ませないといけません。
血液を送り込むには動脈の流れをよくする必要があります。
股関節の滑膜へは大腿深動脈と呼ばれる動脈から血液が送り込まれますが、腹部からつながる動脈から大腿深動脈は血液を供給されています。
そして、炎症して壊れた細胞や組織片は股関節の周囲のリンパ節から、代謝して使われて不要になった血液は股関節周囲の静脈から回収されていきます。
このように滑膜炎を抑えるには新鮮な血液が供給されて、古い細胞や組織片はリンパ節から回収され、古い血液は静脈から回収されることで代謝が正常に起こり治ることができます。
滑膜は股関節を覆っているので鼠蹊部やお尻の横側やお尻の後ろ側などあらゆる場所に痛みを引き起こします。
滑膜炎がを放っておくと炎症により痛みが広がり、悪化させてしまいます。
滑膜炎を抑えるためには周囲の皮膚、脂肪、筋膜、筋、血管、リンパ節、内臓の機能を改善させ、股関節を支えられるように筋力発揮を整えることが大切です。
股関節周囲の組織の硬さ・炎症のケア
炎症が起きるのは滑膜だけではなく、股関節を覆っている筋肉や神経、滑液包と呼ばれる部分や、脂肪組織などあらゆる場所で炎症が起きます。
鼠蹊部の前側の組織にはリンパ節が多く存在し、硬くなると脚全体が浮腫んだり、重く感じます。
また太ももを持ち上げる筋肉が多く存在します。
股関節の側面には立った時の脚を支える中臀筋や大腿筋膜張筋が存在し、硬くなると骨盤が開いて腰が痛くなったり、うまく力が発揮できず階段や不安定な床でふらつきます。
股関節の側面の深部には股関節が正常な位置に支えておく筋肉があるので、硬くなるとうまく力が発揮できず股関節の支えられなくなり、お尻を前に突き出す姿勢になり、鼠蹊部のあたりが圧迫されて痛くなったりすることがあります。
股関節の後面には歩くときに必要な筋肉が存在します。
また反り腰にならないようにするためにも働く筋肉なので、腰の下が痛くなる人はこの大臀筋が硬くなり働きづらい状態かもしれません。
股関節の後面の深部には股関節が正常な位置に支えておく筋肉があるので、硬くなるとうまく力が発揮できず股関節の支えられなくなり、お尻を前に突き出す姿勢になり、鼠蹊部のあたりが圧迫されて痛くなったりすることがあります。
炎症をどうやって改善していくのか?
Physio fitでは炎症の処置をPEACE &LOVEという考え方も取り入れて対応していきます。
PEACEによる炎症処置の考え方
P | PROTECTION 保護 | 外傷後の数日間は痛みを伴う活動や運動を避けてください。 医療機関でテーピングなどでの損傷部位の固定も行ってください。 |
E | ELEVATION 挙上 | 怪我をした部位をできるだけ頻繁に心臓よりも高く挙上します。 |
A | AVOID ANTI-INFLAMMATORIES 抗炎症薬を避ける | 怪我をした組織の回復を低下させる可能性があるため抗炎症薬の服用は避けてください。 |
C | COMPRESSION 圧迫 | 弾性包帯を使用して腫れを抑えます。 |
E | EDUCATION 教育 | 患者の状態に最も適した対処法を教え、過剰な医学的診察と薬の服用、そして不必要な受動的療法を避けるようにします。 |
まず、炎症にとって大切なことは痛みのある動きをなるべく避けることになります。歩き方、階段の登り方、移動手段、座り姿勢、立ち姿勢、ウェア、ストレッチ、トレーニング、テーピングなどで痛みがでている組織にストレスがかかることを防いでいきます。
LOVEによる炎症処置の考え方
L | LOAD 負荷 | 痛みと相談しながら徐々に適切に日常生活に戻るようにしましょう。いつ負荷を上げて行けばいいのかは身体が教えてくれます。 |
O | OPTIMISM 楽観思考 | 自信を持ち前向きな考え方を持つことで最適な回復が可能になります。そのためにもポジティブ思考に切り替えることが重要です。 |
V | VASCULARISATION 血管新生 | 痛みを伴わない有酸素運動を行うことで、負傷組織への血流を増やし回復を促進させます。 |
E | EXERCISE 運動 | 回復に向けた積極的なアプローチを取ることで、体の動き、筋力自己受容性感覚を回復させます。 |
また、負傷した組織を回復させるために血流を増やしていきます。
また回復に向けて、血流はもちろんメンタル面や運動面、日常生活の負荷などを整える必要性があります。
股関節周囲の組織の硬さのある場所に硬さを改善したり、筋肉の力の入りやすさや運動性を高めると血流が増加します。
特にPhysio fitでは炎症してしまった組織に対して直接的な血流の回復を促すためにWINBACKという高周波機器を使用しています。
WINBACKを用いて進めることで非常にスムーズに組織の回復を進めることができています。